新しい政府の指令が電子データ管理を変革

政府機関向けの電子文書管理についてのこの参考になるガイドをお読みいただき、NARAおよび大統領行政命令M-19-21について詳細を確認してください。

ほとんどの民主主義国の政府機関は、機密情報の機密と安全性を保持する一方で、透明性と効率性を確保し経費を抑えることが求められています。 これらの目標を煩雑な紙のドキュメントを使用して達成するのは大変なことです。

2018年、米国の国立公文書館 (NARA) が、政府の近代化に向けての変革を推進する指令を導入しました。 連邦政府機関の記録管理およびビジネスプロセスを2022年12月末までに完全に電子化またはペーパーレスに移行するための政府のガイドラインは、Transition to Electronic Records (電子記録への移行) と題した覚書 M-19-21 に定められています。

NARA とは?

フランクリン・ルーズベルト大統領によって1934年に制定された NARA は、米国政府の独立機関です。 その主要な責任は、国家の記録を保護、文書化、およびアクセスを提供することです。

使命およびサービス

NARA の使命は、作成から最終的な使用まで記録のライフサイクル全体を取り扱うことです。

17 の州に記録保管所がある NARA は、照会および調査サービスで公的機関および連邦政府機関を支援しています。 さらに、16 の連邦記録センター (FRC) が、連邦政府機関に記録の保管、アクセス、および処分サービスを提供する国内ネットワークを構成しています。

保有資産

NARA の重要な保有資産のいくつかは、その設立のかなり前の1775年に遡り、奴隷解放宣言および初期の極地探検日誌が含まれています。 権利章典、アメリカ独立宣言、および憲法などの歴史的文書とともに、NARA はさらに、軍歴および移民の帰化記録を含む一般市民の多くの公文書も保管しています。

NARA の権能は、長期的な研究の価値を持つと判断され、政府の業務に重要なこれらの連邦政府の記録のみを保持、または価値のある情報を市民に提供することです。 これらの記録は一般的に、合計すると任意の年に作製されたすべての文書の約2~5パーセントになります。 現在、NARA は約133テラバイトの電子データと以下の紙のコピーを所有しています。

  • 100億ページの原文記録
  • 1,200万の図表、地図、および設計図面や意匠図
  • 2,500万のスチール写真およびグラフィック
  • 2,400万の空中写真
  • 300,000の映画フィルムのリール
  • 400,000の動画および音声の記録

電子文書管理

急速に増加する電子的な政府記録を管理、保存、およびアクセスの提供の特定のニーズに対応して、NARA は電子記録アーカイブ (ERA)を開発しました。 この機関は、必要不可欠な電子的連邦政府の記録を価値があると見なされる限りアクセス可能、保存、および真正な状態に保ちます。

上記の覚書 M-19-21 には、政府および NARA が取る措置および電子文書管理目標を達成するための目標の期限が記載されています。

[関連項目: 記録管理の重要性の理解]

M-19-21 とは?

M-19-21 は、連邦行政部および機関の長に対してに米国行政予算管理 (OMB) が提出した署名済みの大統領行政命令です。 この指令は、一時的および永久的なすべての記録を電子形式に組み込むために2022年12月31日以降に連邦政府の機関から NARA へ提出するよう命じる政府全体の行動計画を定めたものです。

M-19-21 は、すべての政府機関が、この日までにすべての記録管理法および規則に準拠する完全に電子的な記録維持環境に移行することを指示するものです。 この目標を達成するには、連邦政府機関が以下の措置を講じる必要があります。

  1. すべての連邦政府の記録に適切なメタデータが含まれ、電子形式で作成、維持、管理されるようにします。
  2. 政府機関が運営しているアナログ文書の保管施設を閉鎖し、記録管理法および規則に沿ってこれらの記録を NARA または民間の保管施設が運営する FRC に移送する計画を立てます。

一貫した方針および慣行を政府全体に行き渡らせるために、M-19-21 は以前の OMB 記録管理ガイダンス要件を整備しており、そのため以下の指令を無効にします。

  • OMB 覚書 M-12-18、政府記録指令の管理
  • OMB 覚書 M-14-16、電子メールの管理についてのガイダンス

M-19-21 の最初のセクションには、政府機関に対する導入ガイドラインが提示されており、すべての機関が電子記録管理を採用する目標を設定しています。

政府機関向けの導入ガイドライン

連邦政府機関は、連邦記録法およびその規則に準拠した文書管理プログラムを引き続き維持し、以下の期限を目標にします。

2019年12月31日は、すべての連邦政府機関の永続的および一時的な記録は可能と見なされる限りこの日までにすべて電子的に管理される日として設定されました。 すべての電子メール記録もまた、引き続き電子形式で管理されます。

2022年12月31日までに、すべての連邦政府機関は永続的および一時的な記録を適切なメタデータで電子形式のみで管理することになっています。 この日以降は、NARA が作成した手順に基づく例外を政府機関が認めた場合を除いてNARA は紙の記録を受け付けません。 アナログ記録をデジタル化する指令への例外には、以下の状況が含まれます。

  • 費やす時間、労力、またはリソースのためコストに関して皆に公的な負担となる可能性のある場合
  • コストが利益を上回る場合
  • 規制、法律、または方針上の障壁など他の理由のためにアナログ記録のデジタル化ができない場合

2022年12月31日は、この日までに以前例外を受け付けたすべての政府機関が、政府機関が運営する記録保管施設を閉鎖し、一時的な、使われていない記録を FRC または民間の記録保管施設に移送する必要がある日です。 この日以降は、政府機関は移送対象の使われていない文書を民間の保管施設で保管する必要があります。

NARA および OPM のための導入ガイドライン

NARA および人事局 (OPM) は、完全に電子化された文書管理への移行においてすべての政府機関を支援するために以下の措置を取ります。

2020年9月30日、NARA は、よくある質問に回答し M-19-21 を明確にするため、更新されたガイドラインおよび規則を発行しました。 この公報には、元々アナログ形式で作成された記録を政府機関がデジタル化し、例外を適用し、必要に応じてアナログの原本を廃棄できる明確な方針も記載されています。

NARA は、2022年12月31日の廃棄日までは FRC に移送したすべてのアナログ記録を引き続き保管します。 その後、NARA は永続的な記録をその元の (アナログ) 形式で受け入れ、一時的な記録を適切に廃棄します。

2022年12月31日以降は、政府機関は永続的なアナログ記録を NARA に移送する前にデジタル化する必要があります。 デジタル化および移送プロセスにおいて、メタデータの要件を含む NARA 規則および移送ガイダンスに従う必要があります。

連邦政府の記録を紙および他の非電子形式で作成、保持、および保存するには、計り知れない程の時間がかかり、毎年何億もの市民の税金がかかります。 政府における完全な電子記録管理への動きは、移行するためのパートナーおよびソリューションのエコシステムを必要とするより大きなデジタル変革戦略を表しています。

Kodak Alaris は、デジタル化戦略について政府機関と連携してきており、M-19-21 指令をサポートするソリューション一式を持っています。

[関連項目: デジタル変革への道]

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